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中・西播磨地区精神保健福祉連絡協議会40周年を迎えて

中・西播磨地区精神保健福祉連絡協議会会長   
特定医療法人千水会 赤穂仁泉病院 深井 光浩


この度西播磨地区精神保健福祉連絡協議会(以下西精協と記す)は創立40周年を迎え、その名称も地区名称の変更に伴い、中・西播磨地区精神保健福祉連絡協議会(以下中・西精協と記す)と改めました。それに同調したわけではありませんが、15年間会長の重責を担っておられた西野直樹先生から、その責務を私が引き継ぐことになりました。

 私が当時の西精協に初めて関わったのは、昭和61年だったと思います。当時は東先生が会長を務めておられ、私の父の深井延浩が副会長を務めておりました。そんな関係もあったのでしょう、ある日いきなり父から「大学病院でてんかんの治療をやっているのなら講義をしろ」と言われ、どんな会かも分からず講演をさせていただいたのが西精協でした。あれから35年、当時26歳だった青年医師の私もすっかりジジイになってしまい、感無量です。

 元来西精協は保健所、警察といった行政機関と精神医療機関との連絡を密にし、精神疾患を持つ患者さんにいかに効率のよいサービスを提供するかという目的のため、当時高岡病院院長であった長尾茂先生(現理事長、長尾卓夫先生のお父様)を会長として昭和53年に発足しました。当時精神医療機関といえば精神科病院しかなく、そのサービスといってもまず患者を保護し、隔離収容し、薬物治療を受けさせる、のみでした。そもそも精神疾患患者は長期入院が当たり前であり、退院後の生活など精神福祉を検討する場もありませんでした。

 その後40年の間に精神医療の進歩とともに、精神障害者を取り巻く環境も大きく変わりました。薬物治療の進歩から、外来治療のみでやれる人、入院しても退院ができる人がほとんどとなり医療機関として診療所が増えました。また、そのような人への精神福祉の必要性が重視されるようになり、様々な福祉機関も生まれました。西精協も時代の流れに伴い、現在では行政機関と精神科病院のみならず、精神科診療所、様々な福祉機関を含んだ精神障害者に対する包括的なサービスを提供する会となっています。

 今後、中・西精協はさらに行政、医療機関、福祉機関の潤滑油となるべく活動を広げていきたいと考えております。さらなる皆様のご支援をお願いいたしまして、ご挨拶とさせていただきます。